出生前診断について

出生前検査をお考えの方へ

当院は富山大学附属病院を基幹施設として日本医学会の出生前検査認証制度委員会等運営委員会から認定を受けたNIPTを実施する医療機関(連携施設)です。

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを調べる検査(出生前検査)を行い、これに基づいて行う診断のことをいいます。

出生前検査を行うことにより、赤ちゃんの先天性疾患の一部を調べることができます。

出生前検査には染色体疾患の診断や可能性を判定するもの(遺伝学的検査)と脳や心臓などの臓器の異常を診断する精密超音波検査(形態学的検査)があります。

出生前検査により、順調に育っていることがわかれば、安心につながります。赤ちゃんの病気が分かった場合、今後のことを家族で考える機会につながり、出産前に赤ちゃんを迎える準備(生まれてからの治療の準備、心の準備、出産後のサポートなど)をすることができます。また、妊娠中に治療が可能であれば治療を開始することもあります。

一方で診断されることによって悩みが増える場合もあります。したがって検査を受ける場合は、検査の合併症、検査でわかることわからないこと、対象疾患、検査を受けることの意味について十分考えていただくことが大切です。また、検査結果について十分理解してその後の対応を一緒に考えることが必要です。そのためにカウンセリングという時間が設けられています。

当院でできる出生前検査は、NIPT検査・OSCAR検査(コンバインド検査)・クアトロテスト、精密超音波検査になります。

※当院の精密超音波検査(胎児ドック)についてはこちらをご参照ください

NIPT検査について

NIPT検査とは妊婦さんの血液中に存在するDNA断片を調べることで赤ちゃんが染色体疾患(21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー)であるかの可能性を算出する検査です。
羊水検査などの確定診断検査をするか考えるためのスクリーニング検査ですが、従来の非確定的検査(クアトロテストやOSCAR検査)は、クアトロテストで検出率70~80%程度、OSCAR検査で検出率90~95%程度でした。
これに対して、NIPTは検出率99.1%と精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患(21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー)をより正確に発見することができます。
※検出率は21トリソミー(ダウン症候群)の場合を指します

妊婦さんの血液検査で行われる検査のため、妊婦さんへの負担が少なく、赤ちゃんへの危険性は全くありません。

検査について詳しい内容は 出生前検査認証制度等運営委員会ホームページ をご参照ください。

OSCAR検査(コンバインド検査)について

OSCAR検査とは、NT(首のむくみ)、妊婦さんの年齢、赤ちゃんの大きさ、赤ちゃんの心拍数、妊婦さんの血液検査(PAPP-A,freeβhCG)等を組み合わせて、赤ちゃんが染色体疾患(21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミー)であるかの可能性を算出する検査です。
羊水検査などの確定診断検査をするか考えるためのスクリーニング検査です。

OSCAR検査についてはこちらをご参照ください

クアトロテストと違って、OSCAR検査は実施できる施設が限られています。
NT測定は、イギリスに本部を置く Fetal Medicine Foundation(FMF)のライセンスを取得した医師による計測が推奨されています。

OSCAR検査は、このライセンス保持者のみに利用が許可されており、どの施設でも可能なものではありません。

OSCAR検査は、妊娠15週以降に行うクアトロテストに比較し、早いタイミング(11週0日~13週6日)で実施できるのと、 超音波の所見を組み合わせる事によって、より高い検出率が実現できます。しかし赤ちゃんの向きにより、検査時間が長くなったり、後日再検査になる可能性があります。

ダウン症候群の場合、クアトロテストで検出率70~80%程度、OSCAR検査で検出率90~95%程度となっております。

年齢からの確率に赤ちゃん固有の値を組み合わせて算出するため、年齢が高くなるほど確率が高くなる可能性があります。35歳以上の方はより精密なNIPTをお勧めしております。

クアトロテスト(母体血清マーカー検査)について

クアトロテストとは、妊婦さんの血液検査で4種類の成分(AFP・非抱合型E3・hCG・インヒビンA)を測定し、赤ちゃんが染色体疾患(21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー)開放性神経管欠損症であるかの可能性を算出する検査です。
羊水検査などの確定診断検査をするか考えるためのスクリーニング検査です。

クアトロテストの検査推奨時期は、妊娠15週0日から16週頃までです。
妊娠15週0日から妊娠21週6日までは検査が可能ですが、クアトロテストの結果をみてから羊水検査を実施するため、妊娠16週頃までに検査を受けることが望ましいです。
17週以降でクアトロテストを実施した場合には、クアトロテストの結果は得られますが、陽性の場合に羊水検査を受けたとしても、羊水検査で確定診断の結果を得てから、妊娠継続の可否の判断をすることができないことがあります。

クアトロテストについても、年齢からの確率に赤ちゃん固有の値を組み合わせて算出するため、年齢が高くなるほど確率が高くなる可能性があります。35歳以上の方はより精密なNIPTをお勧めしております。

01. 遺伝カウンセリング外来の対象となる方

  • NIPT検査は妊娠10週0日~妊娠14週6日の妊婦さんを対象としています。
    (年齢制限はありません)
    15週以降の妊婦さんは基幹施設の富山大学附属病院に受診していただきます。15週6日まで検査可能です。
  • コンバインド検査(OSCAR検査)は採血に加え、超音波検査でNTを測定するため、妊娠11週0日~13週6日の妊婦さんを対象としています。
  • クアトロテストは15週0日以降の妊婦さんを対象としております。

02. NIPT検査、コンバインド検査、クアトロテストで調べることができる疾患

NIPT検査、コンバインド検査では、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つの染色体疾患を対象としています。
クアトロテストは21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管閉鎖不全を対象としています。

03. 検査の流れ

  1. 遺伝カウンセリング
    原則としてご夫婦あるいはパートナーのお2人にカウンセリングいたします。
    カウンセリング後に出生前検査(NIPT検査、コンバインド検査)を受けるか、検討していただきます。
  2. 血液検査(コンバインド検査は超音波検査も行います)
    妊婦さんから約10ml程度採血します。(コンバインド検査は約5ml)
    (カウンセリング当日に検査可能です)
  3. 検査結果説明
    血液検査から1〜2週間後、ご夫婦あるいはパートナーのお2人に結果説明をさせていただきます。

04. 受診方法について

遺伝カウンセリングのお申込みは電話(076-422-2000)での予約のみとさせていただきます
(web予約不可)

◎当院に受診されている妊婦さんの場合
お電話もしくは外来受診時に担当医やスタッフへ直接ご相談ください。

◎他院に受診されている妊婦さんの場合
お電話で予約をお取りになった後、当院ホームページより問診用紙を印刷していただきご記入して当日お持ちください。

当院受診の際にかかりつけ医様からの診療情報提供書(紹介状)が必要となります。

出生前検査または遺伝カウンセリングをご希望の方は、事前学習として動画の視聴をお願いしております。

①事前学習動画

② 問診票の記載

以下の問診票をダウンロード・印刷していただき、ご記入をお願いします。
※事前に記入することが難しい場合は、院内にて記載いただけます。

③ 参考資料

NIPTや先天性疾患に関する詳しい説明書です。
知識を深めるためにぜひご覧ください。

05. 受診時に持参していただくもの

  • 母子手帳
  • 保険証
  • 紹介状(他院に受診されている場合)
  • 問診票(院内にて記載いただけます)

※原則としてご夫婦(あるいはパートナー)でお越しください。

06. 検査費用

  • NIPT 180,000円 OSCAR検査 45,000円 クアトロテスト 10,500円
    (遺伝カウンセリング料は別とさせていただきます。)
  • NIPT、OSCAR検査はクレジットカード支払い可 
    ※遺伝カウンセリング料(8800円/税込)は受診当日にお支払いいただきます。
    ※NIPT検査の費用は、NIPT用の血液検査を受けた日にお支払いいただきます。
  • NIPT陽性時は基幹施設の富山大学附属病院に受診していただきます。
    確定診断のための羊水検査及び入院費用のご負担はありません。
    (受診費用及び遺伝カウンセリング料は必要です)

07. 結果報告

NIPT

  • NIPTの結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。
    「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。
    NIPT は精度の高い検査ではありますが、染色体疾患の “可能性の高さ” を判定しており、あくまでもスクリーニング検査で、確定診断をする検査ではありません。
    NIPTで「陽性」と判定されても、後の確定検査によって正常が確認される「偽陽性」もあり得るため、診断を確定するためには、羊水検査を受ける必要があります。
  • NIPTの判定(陽性・陰性・判定保留)の考え方
    検査結果については、遺伝カウンセリングを通して正しい理解のもと今後の選択を決めることが推奨されています。お話しながら、納得できる選択ができるようしましょう。

陽性:赤ちゃんが3つのトリソミー(21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミー)のうちいずれかをもつ可能性が高いという結果です。

NIPT「陽性」でも必ず赤ちゃんがトリソミーをもつとは限りません。(「偽陽性」の可能性もあります)
例えば、35 歳の妊婦さんの陽性的中率(※)は79.9%のため「21トリソミー陽性」という結果だった場合、実際には胎児は 21 トリソミーではない可能性が約 20% あるため、NIPT の結果のみで診断を確定することはできず、診断を確定するために羊水検査を受ける必要があります。羊水検査では、お腹から子宮内に針を刺すことから約1/300の割合で流産や死産のリスクを伴います。
※陽性的中率;「陽性」と出た際にその検査結果が正しい確率

陽性の場合、結果に関する詳しい説明やその後の対応について基幹施設である富山大学附属病院で遺伝カウンセリングを受けていただきます。

陰性:赤ちゃんが3つのトリソミー(21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミー)のうちいずれかをもつ可能性が低いという結果です。

「陰性」の場合、赤ちゃんが3つのトリソミーではない確率はいずれも99.9%以上です。
しかし、100% ではありませんので、極めてまれに、NIPT で陰性の結果であっても赤ちゃんが3つのトリソミーのいずれかである場合があります。
NIPT「陰性」であっても、赤ちゃんが他の先天性疾患である可能性は否定できません。

判定保留:「陽性」か「陰性」かの判定ができなかったという結果です。

わが国のデータでは 0.3~0.4%ほどの確率で「判定保留」となることがあります。
この場合は、遺伝カウンセリングでどうするかを相談します。「もう一度NIPTをおこなう」「NIPTでの検査をあきらめる」「羊水検査をおこなう」などの選択肢があります。

OSCAR検査、クアトロテスト

検査結果は病気ごとに、二通りの方法で示されます。

  • 分数で示される
    たとえば1/256、1/8のように分数で確率が示されます。1/256とされた人が256人いたらそのうちのひとりにその病気があり、255人にはありません。最高に大きな値は1/2で、1はありません。ゼロという結果が出ることもありません。
    検査を受ける前にどのような確率であれば羊水検査を受けるか、ご夫婦で考えておくことが大切です。
  • スクリーニング陽性・スクリーニング陰性
    基準値(カットオフ値)を上回った場合に「スクリーニング陽性」と表示されます。カットオフ値は、羊水検査の流産率に近い35歳女性の平均値1/295が使われることが多いようです。